東京百舌

二枚舌ならぬ百枚舌です。適当なこと言います。人が言わないことを言うのが努力目標です。言いっ放しです。あしからず。

百田尚樹をなめてはいけない

百田尚樹『日本国紀』が話題である。
はてなを通して見ていると、その内容にツッコミが入っている。

百田尚樹『日本国紀』よんでみた:ロマン優光連載122 - ブッチNEWS

とか

『日本国紀』の参照文献がWikipediaであることの考証:百田尚樹氏と有本香氏の豹変を中心に | 論壇net

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【日本コピペ紀】Wikipediaとの類似表現報告まとめ【日の丸すら】 | 論壇net

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ところで、
少し話は変わるが、

【フェイクニュースを超えて】 SNSのうわさのせいで焼き殺され、メキシコの小さな町で - BBCニュース

というのがあった。

これらを見ていて思うのは、最近読んだ以下の記事

business.nikkeibp.co.jp

 

私たちは、オンライン上のナイフ(=武器)を作ってしまったのです。
(略)
 バノン氏は、これを防御ではなく、攻撃目的の武器として使用しました。私はこのことが非常に問題だと感じました。特に、研究室で行われた実験用の動画を見ると、実験の初めには普通だった人たちが、終わる頃には人種差別的なスローガンを、あたかも普通のこととしてわめき散らしていました。

 

2016年米大統領選の結果を見て、どう感じましたか。

 とても非現実的な光景でした。両者の関わりが公になる以前から、CA社はトランプ陣営と共に動いていたのです。当時、人々が「奇妙な語り口だ」としていた「壁を作れ!」や「(米政府の)どぶさらいをする!」また「闇の国家が人々から全てを取り上げており、みんなを監視している」などというスローガンは全て、CA社が初期の頃行なっていた研究から生まれたもので、鮮明に記憶しています。

 こうした報告はバノン氏に上げられ、彼からトランプ氏に渡されました。米国のニュースを見るのは、私には奇妙なことでした。なぜなら、世間はトランプ氏が言うことを笑ったり、「気が触れている」と評していました。こんな埒もないことを言って、勝つ道理がないと思われてもいました。

 私はそれを見ながら「いや、そうではない。もし、適切に標的とされれば、どれだけの人たちがトランプ支持に傾くかを、わかっていない」と思いました。(メディアなどが)トランプ氏や聴衆を馬鹿にすればするほど、(トランプ氏の発言を)好ましいと感じ、聴衆は(メディアから)自分も馬鹿にされていると感じ、トランプ攻撃が起こる度、彼の基盤がどんどん固まって行きました。攻撃は、トランプ氏を助けたのです。

 この事はとてももどかしく、私は民主党陣営に警告を試みました。しかし、ヒラリー陣営はあまりに自信に満ち、誰もトランプ氏の勝利を見抜く事は出来ませんでした。「違法で恐ろしく非道徳的なことをしているかもしれないが、どうせ勝たないのだから、問題はない」と言う態度でした。案の定、彼は当選しました。そこで初めて人々は驚愕したのです。

 

メキシコだろうと日本だろうと、適切に標的とされれば、それは大きな動きになるのではないだろうか。
初めには普通だった人たちが、終わる頃には人種差別的なスローガンを、あたかも普通のこととしてわめき散らすことも、受け入れなくなてはならない。

そんな馬鹿なと思うかも知れない。

でも最近話題になった記事にはこんなことが書いてあった。

www.news-postseven.com

OECDが「国際成人力調査PIAAC・ピアック)」というものを実施していて、その結果が実に興味深いんです。これは各国の国民がどんなスキルを持っているかを調べるもので、OECD加盟等24か国・地域の16~65歳の男女を対象に、「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」を調査したものです。
(中略)
(読解力について)
レベル2だと、「HPを見て、運営者に問い合わせるにはどうしたらよいですか?」といった質問です。そして、問い合わせ先を見つけられない人が日本で約3割、OECDの平均だと4割を超えています。

レベル3になると6割の人が答えられない。レベル3の問題は、たとえばHP上に本のリストがあって、その中からある特定の本の著者を探すというものです。
(略)
レベル4は、本のリストの中から、ある特定の主張に対して、「賛成でも反対でもなくいずれも信頼できないというスタンスのものを選べ」という問題です。これは、そこに書いてある解説を読めれば答えられるじゃないですか。でもそれができる人って、日本人で2割、世界で1割しかいないんです。

もう一度、言う。
メキシコだろうと日本だろうと、適切に標的とされれば、それは大きな動きになるのではないだろうか。



トランプ大統領を誕生させたCA社ほどではないにせよ

百田尚樹をなめてはいけない。