東京百舌

二枚舌ならぬ百枚舌です。適当なこと言います。人が言わないことを言うのが努力目標です。言いっ放しです。あしからず。

昔より貧富の差が学力に影響を与えているという理由

www.yomiuri.co.jp

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画像はwww.yomiuri.co.jp より 

経済的に困窮している世帯とそうでない世帯の子供の学力格差が小学4年生頃に広がる傾向にあることがわかった。

 

関連して、苅谷剛彦の「教育改革の幻想 (ちくま新書) 」のアマゾンレビューを思い出した。このレビューに書かれている内容が面白い。

学校週5日制は占領下、1970年代の日本教職員組合の取り組み、そして1980年代の国連機関や欧米諸国からの労働時間短縮に関する圧力に対する政治的背景があったことが良く知られています。学校週6日制から週5日制に移行するにあたって、教職員の労働時間も他の労働者と同じように短縮を考えた場合、(予算の制約から)配員が同じであるならば子ども達が受けられる授業の時間を短縮するしか、方法はないことになります。

 

ゆとり教育の目的が『全員が理解できる教育』としているのであれば、到達目標を下げるのはまだ理解できるとして、教育時間まで減少させるのでは本末転倒であることは素人にもわかりそうなことだ。また、もともと勉強しない子供が週休2日で増えた休日に自主的に勉強するわけないことくらい想像できない方がおかしい。

 

そういった見方をするのであれば、
週休2日制に伴い、学校での教育時間が短縮された現代は、学校外、家庭での勉強が学習に与える影響が相対的に大きくなり、
その結果として、昔より貧富の差が学力に、より影響を与えているといえよう。


どうしよう(ジョイマン風に言ってみた)。

 

 

もしも、子どもに千差万別な成長曲線があるのであれば

飛び級と積極的留年を合わせた学校運営が必要なのでは?
それは、科目ごとが理想だと思われる。

今のIT社会であれば、キメの細かい対応ができるのではないだろうか?
というよりも、外国では、以前より、飛び級や積極的留年はあったりするので、それは社会の了解が得られるかどうかの問題だと言える。

理解が足りないまま進級しても、それは時間の無駄になる。
成長曲線にも個人差があるだろう。
ならば、飛び級と積極的留年を合わせた学校運営が必要なのではないだろうか?

 

通訳者であり、エッセイストであり、小説家でもある米原万里さんの小中学校時代のプラハ生活を元にした小説では、
親が、大学教授(たしかそうだったような・・)の息子が一年留年していて、一年上級生の同い年の女の子と付き合っているというエピソードが書かれていて、留年していることへのなんの後ろめたさも無いことに驚いたことがある。
その米原さんが中学で日本に戻ってきたときに、母親が学校に行って留年したいと相談したところ、学校側が「それは劣等感につながるから」と断ってきたという話がある。
それは、今もたぶん変わらない。

 

それでも、飛び級と積極的留年を合わせることは学習の理想だと思う。
体育などは体格による落ちこぼれや習得機会の損失を補うことにもなる。


例えば、「数学は飛び級で、でも、背丈は低いし、まだ体格ができていないから、体育は留年で」とか
「勢いがある今、英語に力を入れたいところですが、それをすると、国語と芸術の遅れを取り戻す時間が足りなくなります。1年留年だけでは取り返せないかも知れません。どうされますか?」とか
「理科の理解が足りなくて、このまま進んでも落ちこぼれます。留年して、来年は理科に重点を置きませんか? 国語のほうは、飛び級して古典を始めても負担は無いと思います」とか


時間が有限であるかぎり、子どもの時点である程度の得意分野の選択の必要が出てくる可能性がある。そして選択の正否は、その子どもが大人になったときの社会が決めるのだろうから、ある種の賭けとなる。

 

中学生棋士藤井聡太さんが、将棋のみか高校進学かで悩んだ話に似ていて、
そういった、人生の選択が、どの子どもにも降りかかる社会になるのかも知れない。

スタートで差がついたら、なかなか取り返せないよ

ikechan0201.com

これを読んで思ったのだけれども、

 

まあ確かに、

小学校で勉強できた人ってその後も勉強できるんじゃない?
小学校でスポーツできた人ってその後もスポーツできるんじゃない?

などなど

 

逆に、

小学校で勉強できなかった人って、その後も勉強あきらめているんじゃない?
小学校でスポーツ(逆上がり・二重跳び・バック転 含む)できなかった人って、その後もスポーツあきらめているんじゃない?

などなど

 

それを覆す人もいるにはいるけども、少数だと思われ、

 


つまり、

勉強やスポーツでは、あと、仕事でもたぶんそうだけども、

 

スタートで差がついたら、なかなか取り返せないよ

 

ということか・・な。

 

それってアイドルと同じじゃない?

gigazine.net

反対に、少年少女の時代に頻繁にパーティーに行っていたような人気者の子どもは、25歳の時には魅力を失っているということも確認されており

「人気者が25歳の時には魅力を失っている」って、
それってアイドルと同じじゃない?

異論はあるだろうけど。
異論はあるだろうけど。

国会議員はセンター試験を受けるべき

安倍首相が「云々」を「でんでん」と読んだという話があった。

読み間違いは誰でもある。
別に直せばいい話である。

で、
ここからが本題。

ここに、ひとつの提案がある。
国会議員全員に、その年のセンター試験を受けさせたらどうだろうか?
ちゃんと試験管をおいて、全学科を受けてもらう。自信がある議員には、特定大学の個別試験も受けてもらう。
そして、点数を公開する。
閣僚の資産公開みたいなものだ。

国語のできない議員に、国語教育を語って欲しくは無い、
英語のできない議員に、英語教育を語って欲しくは無い、
科学の知識が無い議員に、イノベーションや科学を語って欲しくは無い、
社会の知識が無い議員に、立法に関わって欲しくは無い、

議員の得意とする数科目でも良い、今、日本の国の議員が、どのレベルにいるのかを国民として知りたい。

我々は、どれほどの資質のある人物に命を預けているのかが知りたい。

もっとも、弁護士なのに・・・、という議員もいる。

でも、ITをイットという首相を笑って許した先に、今の日本があるのではないだろうか?

リーディングスキルテストと6つの読解力

まず、理解しておいて欲しいこと
まず、理解しておいて欲しいことは、
人工知能“東ロボくん”に高校生受験生のおよそ8割が破れている」
という事実です。

なにが問題なのか
人工知能“東ロボくん”やリーディングスキルテストに関わった新井教授は、読解力に注目しています。

この読解力は、6つに分けられます。
係り受け」「照応」「同義判定」「推論」「イメージ」「具体例」
の6つです。

このうち、“東ロボくん”が得意なものが、
係り受け」「照応」「同義判定」
で、

“東ロボくん”が苦手なものが、
「推論」「イメージ」「具体例」
です。

では、人間は、どうなのでしょうか?
実は、リーディングスキルテストにおいて、人間でも同様な結果が出てしまいました。
人間も、“東ロボくん”と同様に「推論」「イメージ」「具体例」が苦手なのです。

さらには、「係り受け」の一部の問題で、進学校の高校生でも3割が間違えるという結果が出てしまいました。

また、中学生も、単にキーワードをピックアップしてマッチングする程度の読みしかしておらず、教科書を読めていない可能性が強くなってきました。
リーディングスキルテストの結果から、
「中学生の半数が教科書を読めておらず、15パーセントは、主語すら分かっていない」ことが明かになってしまったのです。
当然ながら、暗記と計算に関して、人間はコンピューターより劣る状況です。

今まで言われてきた
「機械は暗記や計算が得意、だけど、人間は機械ができない"意味"が分かる」
という認識が、リーディングスキルテストによって怪しくなってきました。

2つに大別される読解力
読解力は、「係り受け」「照応」「同義判定」「推論」「イメージ」「具体例」の6つからなります。これらの能力は各々独立した能力です。

6つの読解力の説明は以下の通りです。

係り受け―― 語句の間にある「修飾する」「修飾される」関係の理解
「照応」―― 指示語や省略された主語が何を指しているかの理解
「同義判定」―― 二つの文が同じ意味かどうかの判断
「推論」―― 論理や常識を使って文章を読み解けるか、文章で書かれていない部分(省略されている部分)を理解できているか
「イメージ」―― 文章と図表が対応しているか
「具体例」―― 定義と具体例が対応しているか


これら6つの読解力は、2つに大別されます。

文の表層的な情報を読み取れる能力として「係り受け」「照応」「同義判定」
文の意味を理解できる能力として「推論」「イメージ」「具体例」

人間も機械も、「文の意味を理解できる能力」である「推論」「イメージ」「具体例」が苦手であることが分かっています。

そして、中学生においては、「文の表層的な情報を読み取れる能力」である「係り受け」の正答率は64.5パーセントです。つまり3割以上の生徒に問題があることも分かっています。「文の意味を理解できる能力」である「具体例」の正答率にいたっては33.7パーセントしかありません(最後の方にデータがあります)。

こういったことがリーディングスキルテストを通じて分かってきました(繰り返しますが、この文章の最後の方にデータがあります)。

リーディングスキルテストの実例
係り受けの問題例:
仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカオセアニアに、イスラム教は北アフリカ西アジア中央アジア、東南アジアにおもに拡がっている。オセアニアに拡がっているものは(  )である。

「照応」の問題例:
Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。Alexanderの愛称は(  )である。

これは、英語の教科書の注釈部分だそうです。
そしてこの正答率は、中学生で4割だそうで、「注釈も読めないのに、英語の勉強どころではないでしょう」という話になります。

「同義判定」の問題例(その1):
以下の文を読みなさい
「輸出が伸び悩む中でも、和牛が人気の牛肉や、和食ブームを反映した緑茶や日本酒などは好調だ。」
上記の文が表す内容と以下の文が表す内容は同じか。「同じである」「異なる」のうちから選びなさい。
「輸出が伸び悩む中でも、和食ブームを反映した日本酒や緑茶、和牛が人気の牛肉などは好調だ。」
   「同じである」  「異なる」

「同義判定」の問題例(その2):
以下の文を読みなさい。
「幕府は、1639年、ポルトガル人は追放し、大名には沿岸の警備を命じた。」
上記の文が表す内容と以下の文が表す内容は同じか。「同じである」「異なる」のうちから選びなさい。
「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。」
   「同じである」  「異なる」

中学生の約4割が誤答したそうです。

「推論」の問題例:
ヨーロッパは日本より相対的に緯度が高いので、夏の昼の時間が長い。
ヨーロッパの夏の夜の時間は、日本に比べてどうか?

「イメージ」の問題例(その1):
原点Oと点(1,1)を通る円がX軸と接している図を選べ

この問題ができない生徒がいることを知ったとき、教科書関係者が「これ以上、どう書けばいいっていうんだ」と頭をかかえたそうです。

「イメージ」の問題例(その2):
四角形の中に黒でぬりつぶされた円がある絵を選べ

「具体例」の問題例:
以下の文を読みなさい。
白玉6個、赤玉3個が入っている袋から玉を同時に4個取り出した。
上の文に当てはまるものを選択肢の中から全て選びなさい。
1.取り出したのは白玉3個であった。
2.取り出したのは白玉4個であった。
3.取り出したのは赤玉4個であった。
4.取り出したのは赤玉1個と白玉3個であった。

リーディングスキルテストでは、問題を再利用するために、公表される問題文はあまりないようです。

また、問題文については、テスト結果と比べながら、良質な問題文かを確認しているようです。
ここで言う「良質な問題文」とは、「回答者にとって良質な問題文」では無く、「読解力の低い者を識別するのに精度の高い問題文」「読解力の高い者を識別するのに精度の高い問題文」を指しているようです。
詳しくは『デジタライゼーション時代に求められる人材育成』をお読みください。

中高生の成績の推移
問題タイプの正答率(カッコ外)およびランダム解答の生徒の割合(カッコ内)(単位:%)
デジタライゼーション時代に求められる人材育成』より

  (1)係り受け (2)照応認識 (3)同義文判定
中1 56.4(44.6) 55.4(46.5) 67.3(58.1)
中2 58.4(40.5) 55.9(42.6) 71.8(52.5)
中3 64.5(29.3) 66.8(24.4) 74.7(41.8)
高1 82.0(6.7) 82.1(5.8) 87.5(17.0)
高2 86.4(3.5) 81.3(10.4) 88.7(12.5)
高3 87.5(3.0) 86.9(2.2) 90.5(8.5)
       
  (4)推論 (5)イメージ (6)具体例
中1 50.6(68.4) 26.4(57.7) 23.6(62.1)
中2 54.0(58.9) 28.6(45.4) 25.4(56.6)
中3 57.9(49.9) 36.3(34.5) 33.7(41.4)
高1 67.9(32.9) 51.1(16.8) 49.1(19.3)
高2 69.7(29.5) 57.7(10.4) 50.0(8.5)
高3 74.9(19.1) 53.2(4.4) 51.3(14.3)

リーディングスキルテストではすべての問題が択一または複数選択式なので、ランダムに答えを選んでもある確率で正解しうる。各問題タイプについて、公立中学1年生から3年生および、進学率がほぼ100% の高校1年生から高校3年生までの正答率、および正答率がランダム解答より良いとはいえない生徒(以下、ランダム解答)の割合を統計的に求めたものが表である。

すべての問題タイプについて、ほぼ、高い学年ほど正答率も高く、ランダム解答の生徒の割合が低いことがわかる。このことは、中高生は学校および生活の中で各タイプの読解能力を伸ばしていることを示すともに、リーディングスキルテストのテストとしての妥当性を示している。

こで注目すべきが、AIが射程に入れている(1)から(3)の問題タイプに比べて、意味理解なしに解くことが難しい(4)から(6)の問題タイプの正答率の方が悪く、ランダム解答の生徒の割合が高いという点である。まさに、(略)AI に代替されやすいような読解力の身に着け方をしている生徒が少なからずいると考えられる。

全体的に、リーディングスキルテストの成績が、中学3年生から高校1年生になる時点で上がっているのは、
リーディングスキルの能力が上がったからでは無く、能力が低い生徒が進学できなかったことを意味していると考えられています。
「具体例」を見ると、中学卒業時において、正答率がほぼ3分の1(33.7%)、高校卒業時において、正答率がほぼ半分程度(51.3%)だということが分かります。
高校を卒業した人でも「具体例」が分からない人が半分程度いるのです。

原因や解決策
これらの原因や解決策はまだ分かっていません。
教師からは、「語彙力の不足(分からない単語が出ると挫折する)」「文章を最後までしっかりと読めない」などの指摘があがっていますが、これらが、どの程度影響しているのかは分かりません。
また、「イメージ」に関しては、言語の図表化、図表の言語化、を生徒に課して、鍛える教師も現れているようです。
そんな、現場の教師の努力で、テスト結果がある程度良くなった学校も出てきているようです。

 

リーディングスキルテストを受けるには・・・

以下のリンクから申し込んでください。

受検のご案内 - 教育のための科学研究所

 

参考にしたURL等
https://twitter.com/sho_yokoi/status/798083441493323776
http://www.nira.or.jp/pdf/opinion31.pdf
https://mainichi.jp/articles/20170926/ddm/013/100/002000c
https://news.yahoo.co.jp/byline/yuasamakoto/20161114-00064079/
http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726-2.pdf
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%B8%A4%EA%BC%F5%A4%B1
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