東京百舌

二枚舌ならぬ百枚舌です。適当なこと言います。人が言わないことを言うのが努力目標です。言いっ放しです。あしからず。

金星大気のパラドックス

暗い太陽のパラドックスに触発されて作ってみた。

金星大気のパラドックス

簡単にまとめると、
「金星は地球より、質量も小さく、重力も小さいのに、地球と比べると90倍もの大気を持っている!
本来持つであろう金星大気の予想値で比べると100倍もの大気を持っている!
なぜ、そこまでの大気を保持できているのか?」
というパラドックス
太陽により近く、太陽風の影響もあるのに。太陽風から守る磁場も無いのに。


金星は、
・地球との相対質量 0.81500
・表面重力 8.87 m/s²(地球:9.807 m/s²)
 8.87 ÷ 9.80700 = 0.904456001 → 地球の0.904456001倍の重力。
・太陽からの距離 108,200,000 km(149,600,000 km)
 149 600 000 ÷ 108 200 000 = 1.38262477 → 距離的に言えば、太陽風の影響を1.38262477倍受ける。

なのに、
・大気圧 9,321.9 kPa(地球:101.325 kPa)
 9 321.9 ÷ 101.32500 = 92
 → 実測値で比べると92倍もの大気圧をもっている。

 これを地球大気圧と両惑星の重力比から見てみると、 

 101.32500(地球の大気圧) * 0.904456001(金星と地球の重力比) = 91.6440043(金星大気圧の予想値)
 9 321.9 ÷ 91.6440043 = 101.718602(観測された大気圧と予想値の差、およそ100倍)
 → 予想値で比べると100倍もの大気圧をもっている。はっはっは、笑けてくる。金星はどれだけ界王拳なんだ。単に桁を間違えているだけではないのかと言いたくなる(個人的には、計測ミスだと思っている。だっていくらなんでも100倍って100倍って。いちまんパーセントってふざけすぎている)。

 

こうなってくると、
「地球の磁場が無くなると、太陽風によって大気がはがされるという話があるが本当か?
金星なんて磁場も無くて、太陽に近くて、重力も小さいのに、地球の90倍の大気だが?」
という話でもある。

 

ちなみに火星もパラドックスな感じになっている。
・地球との相対質量 0.10745
・表面重力 3.71 m/s2
3.71 ÷ 9.80700(地球の重力) = 0.378301213 → 地球の0.378301213倍の重力

火星大気のパラドックスとしては、大気圧の予想値よりも実測値が著しく小さいというもの。

・太陽からの距離 227,900,000 km
227 900 000 ÷ 149 600 000 = 1.52339572
 → 地球よりも太陽から1.52339572倍遠い。
227 900 000 ÷ 108 200 000 = 2.10628466
 → 金星よりも太陽から2.10628466倍遠い。

149 600 000 ÷ 227 900 000 = 0.656428258
 → 距離的に言えば、太陽風の影響を地球の0.656428258倍受ける。
108 200 000 ÷ 227 900 000 = 0.474769636
 → 距離的に言えば、太陽風の影響を金星の0.474769636倍受ける。

・大気圧 0.7-0.9 kPa
 101.32500(地球の大気圧) * 0.378301213(火星と地球の重力比) = 38.3313704(火星大気圧の予想値)
 0.9 ÷ 38.3313704 = 0.0234794632(観測さてた大気圧と予想値の差、およそ0.02倍)
 → 予想される大気圧(38.3 kPa)と観測された大気圧(0.9 kPa)との差が0.02倍と、あまりにも大きい。
ちなみに地球においては、エベレスト(8,848 m)級の標高8,400 mで、36.3 kPaとなるようだ。


ちなみに火星を金星と比較すると、
3.71(火星の重力) ÷ 8.87(金星の重力) = 0.418263811
9 321.9(金星の大気圧) * 0.418263811(火星と金星の重力比) = 3 899.01342(金星大気圧を元にした火星大気圧の予想値)
 3 899 kPa。あらやだ。101 kPaの地球よりも大気があることになっちゃった。

 「火星は太陽風の影響を受けているんだよ」という声も聞こえてくるが、
 ならば、火星よりも地球よりも太陽風の影響を受けている金星が地球の90倍とは、これいかに。と話は振り出しに戻っていく。そしてこの矛盾は金星大気のパラドックスと呼べるものになっていく。

 

ちなみに、太陽風の速度は、太陽に近いと遅く、遠くなると早くなるらしい。
これは、密度と関係しているという理解でよいか?
たとえるなら、満員電車から人が降りる状況。降り口は密度が濃い(高い)ので、なかなか早く降りられないが、一度駅のホームに降りて、人がまばらになれば、急ぐこともできて人の足取りは早くなる。
太陽風も太陽から遠くなり周りが真空になっていくと、邪魔が無いので早く拡散するという理解でよいか?
たぶん、合っていると思うのだけども。
だから、太陽により近い惑星のほうが密度の濃い太陽風の影響で大気がよりはがれやすくなるはずなのだが金星はどうか?

 

まとめると、こうなる。

・重力比から見ておかしい。
太陽風の影響を受けるのにおかしい。
・磁場も無いのにおかしい。

 

これが、金星大気のパラドックスである。