東京百舌

二枚舌ならぬ百枚舌です。適当なこと言います。人が言わないことを言うのが努力目標です。言いっ放しです。あしからず。

リーディングスキルと企業または業種、そしてマッチングサービス ――― エビル(evil 邪悪)になれば、儲けられるぞ!

これからは、企業の採用テストを通じて、業種や企業規模と、そこに入ろうとする人たちの読解力に関係があるのかが分かってくると思う。

リーディングスキルテストを行なっている組織は、どの企業やどの組織(公的なものを含む)にリーディングスキルの高い人が集まっているか把握できることになる。
それは、同業種の中で、企業の格付けにもつながるかも知れない。
「ウチのソフトウェア開発部門は、平均○○のリーディングスキルを持っています。このスキルを活かし常に最新の技術にスキルアップしています」だとか
リーディングスキル○○のコンサル集団。お客様の問題を正確に理解します」だとか
「業界随一のリーディングスキルであることが分かりました。期待は裏切りません」だとか
企業がウリにし出すかも知れない。

リーディングスキルと業績の相関など調べもせずに、こういうことを言い出す未来が見える。


業界ごとのリーディングスキルの傾向も分かってくるだろう。
「この業界はこの程度のリーディングスキルで就業できる」「この業界のリーディングスキルの中央値はこのあたりだから参考にしてください」「この業界で働くにはこれくらいのリーディングスキルがないと、伸び悩む」など、時間とともに分かってくるものと思われる。
企業のほうも、そのうち、「うちで働くならこのくらいは欲しいよね」「この部門(もしくは職種)で働くなら、リーディングスキルテストはあえてやらずともよい」「うちの仕事にリーディングスキルは関係無いね」とか言い出す可能性もある。
一番困るのが、「とにかく高い点数の者が欲しい」となって、取り合いになり、リーディングスキルがそれほど必要無い場所でオーバースペックな人が働く一方で、本当に高いリーディングスキルが必要な場所に人が入ってこないことである。
これは日本全体の損失とつながる。

だから、是非ともやってもらいたいのが、企業における事前調査。
企業としても、闇雲に入社試験にリーディングスキルを活用しようとしても、活用しきれないものと思われる。
その結果を理解できるのか?まことに疑問である。
この場合、事前準備が必要となる。
その企業において、「求める人物の見本」「優秀とされている人物の見本」「役職をもっている人物」など、数パターンを用意して事前にリーディングスキルテストを実施して、その企業の求めるリーディングスキル像を把握しておくと、採用に活用できる。
これを行なわないと、リーディングスキルテストを入社試験に採用しても、「よくわかんないけど、リーディングスキルの高い人を取ってみようか?」「採用におけるリーディングスキルの優先順位ってよく分からないよね」となってしまう。
事前に、「自社における求める人物像とリーディングスキルの相関」が分かっていれば、テスト結果を有効に活用できる。
「他の入社テストはイマイチなんだけども、リーディングスキルの相関はバツグンの志望者がいる。試しに採用してみるか」「面接の印象は良いのだけども、ウチの求めるリーディングスキルの範囲からはほど遠いな。お断りするか」などの対応ができるようになると思われる。

この事前準備の積み重ねから、「企業や業種におけるハイパフォーマーリーディングスキルの相関」も分かってくる。これは、リーディングスキルテストを実施する組織にとって財産となる。


ちなみに、これら集まってくる情報をどう使うのだろうか?エビル(evil 邪悪)になれば高く売れると思う。
「業界ごとの読解力分布図」「業界内での読解力分布図(御社の読解力は業界何位か?)」「業種ごとのハイパフォーマーリーディングスキルの7項目の相関情報」「企業満足度の高い新卒とリーディングスキルの7項目の相関情報」どれも高く売れそうだ。


また、今後個人のテストを受け付ける際に、双方向のマッチングサービスもできるのではないか?

企業に対しては、「あなたの組織に合った人いますよ」と言えるし、個人に対しては、「この企業ならリーディングスキル的に合格圏内です。また、この企業があなたに興味を持つでしょう。ご紹介しましょうか?」と言える。

学習塾への紹介も可能だと思う。リーディングスキルの高さが学力の伸びに関係している可能性があり、もしもそうであれば、学習塾は、より学習効果が見込める生徒を欲するであろうから、こういった紹介を望む学習塾も出てくると思う。相手が学生であれば「あなたのリーディングスキルなら、この学習塾であれば、授業料が無料になりますよ。それと、この学習塾もあなたに興味を持つでしょう。ご紹介しましょうか?」と言える。もちろん学習塾からは、紹介料をもらう。
学習塾からフィードバックをもらうことにより、リーディングスキルの項目と特定の学科の成績の伸び率に相関が認められるようになるかもしれない。講師別のデータがあれば、制度もより高くなり、講師によって生徒を引き上げられるか否かも事前に分かってくる。講師の能力とリーディングスキル向上に相関が見られるようになるかもしれない。そうなれば、この情報も高く売れる。マッチングサービスもよりキメの細かいものとなる。
「今回、貴学習塾様にご紹介する生徒様は、特に物理の潜在学力がある生徒様です。本人も理系志望です。今、伸びや悩んでいるそうですが、貴塾は、過去にこういった生徒様の能力を、○○先生の授業において引き上げた実績があるので、ご紹介します」

 

GAFAすら(グーグルもアップルもフェースブックもアマゾンも)この領域に手を出せないでいる。

 

人的資源は即ち、お金のなる木である。

 

今後、リーディングスキルテストの諸外国版を作っていけば世界中のリーディングスキル絡みの情報を手中にできる。
日本語と諸外国語との差異も分かるだろうし、人材育成と人材流通の中心にもなれる。

エビル(evil 邪悪)になれば、儲けられるぞ!

 

2019年1月

追記
エビルどころかデビルになれば、もっと面白いことができる。
リーディングスキルとの相関を確認する意味で、情報にプラシーボを混ぜるのだ。
企業や塾に情報を与えるときに、数人に一人、情報を書き換えて、リーディングスキルが無い人物をリーディングスキルが高い人物として紹介する。

そうすると、本当はリーディングスキルが無い人物が、リーディングスキルが高いとあつかわれた場合の事例が収集できる。プラシーボ効果を確認できる。

もしも、就業や勉学において、プラシーボ人物の伸びが認められなければ、リーディングスキルの相関は高いことになる。
このことを知らない相手企業や塾からは、「リーディングスキルって、あまり関連性がありませんよね。ときたま、ハズレが出たりしますから」と言われるだろうが、
そのときは、「一回の検査では結果が分からないこともあるようです。ぜひ、数回のテストを行なってください」なんて営業トークをしてもよいし、後からバレたとしても、「真相は藪の中」だし、今から沢山の言い訳を作っておくことだってできる。

デビルになってプラシーボ効果を確認すれば、より有用な情報を得ることができるだろう。

予想に反して、プラシーボ人物が成長する可能性だってある。
この場合は、「リーディングスキルと成長の相関は必ずしも高くない」となるだろうし、「人の成長においてリーディングスキルは必ずしも高い必要は無い。人の成長には別の要素も大きく関わる」となるだろうし、「立場が人を作る」という話の裏付けにもなると思われる。

こんなことをやっても、黙ってやればバレないだろう。エビルになるか?なったとしたらデビルにまでなるか?
こういうことはアメリカの企業ならやるかも知れない。いや、やりそう。