東京百舌

二枚舌ならぬ百枚舌です。適当なこと言います。人が言わないことを言うのが努力目標です。言いっ放しです。あしからず。

新井教授は語彙量って言ってるの?(ほんとに?)

国際学力テスト  語彙不足に警鐘 読解力低下で専門家 (毎日新聞)
において、
東大入試に挑戦する人工知能(AI)「東ロボくん」を開発中の新井教授のコメントが紹介されています。

 要因として、新井教授は語彙量の不足を挙げる。世帯人数の減少に伴って家庭内で大人同士の会話が減り、活字離れで長文を読む機会が減ったことなどの環境の変化が背景にあるという。

 新井教授は「国語の授業で文学作品を読むだけでなく、論理的な文章をグラフや表と併せて読み解く作業も必要だ。教科の中身を見直す時期に来ているのではないか」と提言している。

 前半の語彙量についてだけ、言及させてください。
メディアのミスリードでは無く、本当に読解力と語彙量との関連が見つかっているのでしょうか?

語彙量に関しては、こんな話があります。

president.jp

佐藤久美子玉川大学大学院教授】例えば、小学校に入学する直前の幼稚園の年長さんたち約200人の語彙力を調べたことがあります。すると、6歳のお子さんで語彙力が一番高い子で、11歳レベルに匹敵するという子がいたんです。この年齢の語彙力だと「礼儀」とか「銀河」「浴室」「選挙」などが理解でき
ますが、驚いたのはその子は「蔵書」の意味までわかる。「蔵書はどれ?」と質問すると本棚の絵を指せます。

一方で、2歳児並みという子もいました。2歳児レベルですと、例えば「頭はどれ?」と聞いても、お人形を指せません。それから、「湯気はどれ?」と聞いてもヤカンから湯気が出ている絵を選べない。同じように「封筒はどれ?」「切手はどれ?」、こういう質問に答えることができません。わずか6歳までで、9歳分の幅がありました。

これを読むと分かるように、小学校に上がった時点で、語彙量に関しては、最大9年分の差ができているそうです。大きすぎる。
これ、幼稚園に通っている子供に対する調査だということは、幼稚園に行くことで語彙量が増えるわけでは無いということになります。
それに小学校の先生も語彙量に9年の幅のある子供たちに授業をするのは大変でしょう。どうしても語彙の少ない生徒に合わせるのではないでしょうか?語彙量のある生徒の能力が活かせないのは損失です。

語彙量だけで解決するとも思えないのですが、というか、語彙量である程度でも解決するのなら、それが本当なら、ただ覚えさえすれば良いので簡単なことだと考えています。
ですが、先の記事を読むと、小学校1年時で大きな格差があり、ただ覚えていくだけの語彙量ひとつ取っても、習熟度の違う生徒を教える教師を考えると難しいというのが現状のようです。