この問題の背後で思うこと
あるところに王様がいました。
そこに悪い国語教師が来ました。
その国語教師は、「自分の地位にふさわしくない者、手に負えない馬鹿者」には読めない漢字を教えることができました。
悪い国語教師は王様に「背後」という漢字の読み方を教えました。
読みは「せいご」というものでした。
自分の地位にふさわしい教養を身につけた王様はたいそうよろこびました。
さっそく大臣たちを呼び寄せ、大臣たちがその地位にふさわしいか確かめることにしました。
「この中にこの漢字を読めないものがいるか?」
王様は居並ぶ大臣たちに聞きました。
「自分の地位にふさわしくない者、手に負えない馬鹿者には、この漢字は読めない」
大臣たちは顔を見合わせました。
そのとき、奥の方から悪い国語教師がにこやかに現れてこう言いました。
「王様、大臣たちは読めますよ。これが“せいご”だと」
一瞬大臣たちは目を丸くしました。
ですが、大臣たちは、これが「はいご」だとは言えず、そのうち、そういえば「せいご」だったかもしれないとさえ思えてきて、
「王様、これは“せいご”と読みます」「我々も馬鹿ではありません。それくらい読めます」
と、皆、口々に言いました。
王様も、大臣たちがその地位にふさわしい者たちだということが分かり、非常に満足しました。
そんなある日、パレードが開催されることになりました。
王様は、自分の威厳を示すため、皆の前で演説をすることにしました。
つづく
「この人の言い間違いが問題なのはただの無教養ではなく、彼が日常的に犯す言い間違いを『それ違うよ』と指摘してくれる人が周りに一人もいないということです」(思想家・内田樹氏)
このコメントを読んで、
本当の忠臣を持っていない人は、アンデルセンの「はだかの王様」と同じだな
と思ったので、こんな話を書いてみた。
ここから先の話は、忠臣ではなく、学力の話。
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KKElichika 読み間違いそれ自体でなく、「安倍氏は内容をきちんと理解しないまま原稿を読んでるのではないか?」が本質的な問題ではないかと思う。政府のトップが自分が何しゃべってるか理解せずに発言するのはヤバすぎるわけで
udonkokko “この人の言い間違いが問題なのはただの無教養ではなく、彼が日常的に犯す言い間違いを『それ違うよ』と指摘してくれる人が周りに一人もいないということ”
trade_heaven こんな事で勝ち誇るなよと思う反面、「背後」が読めない奴なんて周りに一人もいないわけで、常識のレベルの国語力もない人間が何を美しい日本とか言ってるの?小学生以下の国語力のくせにとは思わんでもない。
これら疑問の払拭のために、
願わくば、学力テスト、リーディングスキルテスト、TOEICを受けてもらいたい。
「そのような時間など無い」と言うだろうが、
漢字が読めるかという話であれば、記者たちの前で、記者が提出した問題を解けば疑いは晴れる。
問題は、教科書や漢字検定から抜粋すれはよい。
また、
リーディングスキルテストは本格的に調べるのであれば1時間近くはかかるようだが、初期の頃は10分程度だったはず。
最低限「安倍氏は内容をきちんと理解しないまま原稿を読んでるのではないか?」の懸念を払拭できる程度の問題を10分解いてもらえば良い。
つまり、中学校の教科書をベースにした問題を、制限時間内に全問正解で何問解けるか調べてみる。
このテスト、読解力のある人であれば、正答率が高く、しかも、回答数も多いと聞く。
コメントの人気トップにある不審の眼差しを正すのだから、
時間を割いてでもやる価値はある。
英語力であれば、TOEICを受けるまでも無く、外国人記者からの英語の質問を普通に受ければそれでよい。
あとは、中学・高校レベルの社会科のテストも受けてもらいたいところ。そしてどの問題が解けなかったかを公表するべき。
そうは言っても、
現職総理は、立場もあるし、むつかしい。
それで、ここからが本題。
これ、石破さんや枝野さんならやってくれるのか?
今のうちから、次の主役候補の資質を見ておく必要がある。
ITを「イット」と言った元総理大臣が、2018年にサマータイムと言い始めたことを考えても、次の人の資質は気になるところ。
忠臣がいればこれを防げただろう。
でも、臣下たちはサマータイムをあきらめていないという現実。